【ネタバレ】「君たちはどう生きるか」予想外にシンプルな話でピカソのような映画

君たちはどう生きるか

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「君たちはどう生きるか」鑑賞後に思ったことを書き留めたいと思います。ネタバレです。私の解釈が作品を鑑賞する上で非常に邪魔になりますので、観ていない人は読まないでください。

観た人はどう感じたでしょうか?

今42歳ですが38歳くらいまで人生を拗らせるだけ拗らせてきた私。そこから自己省察をしてきました。スピリチュアルや悟りに傾倒したり、学術的に自分がどういう立ち位置なのかを認知したり、哲学で頭を整理したり。色んな事をざっくりと学んできました。今でも多様性について考えたりするのが好きです。

そんな私が映画を観て思ったのは、非常にシンプルだったということ。よくもこんなにシンプルな話をあんなにちんぷんかんぷんに仕上げられるな!監督すごい!!

宮崎駿さん集大成の映画って感じでしたよね。色んな作品の影を感じました。ぶっちゃけ何のこっちゃ分からない映画で戸惑った方もいたかと思います。なぜインコいっぱい?どうして?は?ん、、、。話がぶっ飛んで異世界に行き、実は私も鑑賞中は何だか分からないままストーリーが進みました。

でもね、きっとそれが狙いだと思います。私たちはわざと思考を掻き立てられました。それはまるで絵画のよう。ピカソみたいな映画でした。

答えの誘導はなく、各々の問題を照らし合わせて、人生を感じたのではないでしょうか。

思考スイッチ押されましたよね?

私は映画を観てからの数時間ずーっと考えていました。あれはどういう意味だったんだろうと。スルーしようとしてもできません。人間としての基本の部分が響き渡り、この胸を震わすのでした。

最終的なメッセージは「誰かの世界を引き継ぐのではなくて自分の世界を作りなさい」というものでした。

ではこの映画を観た後の私なりの解釈を堂々と語っていこうではないか。誰かの解釈を請け売りして知ったかぶるのは止めようじゃないか。そう思ってnoteを書きます。ですから正解なんて思わない方がいい。でも書かずにはいられない。でもこう受け取った人間がいたことを残しておこうと思います。

【ここからネタバレ】私の感想と考察

ここからは私の感想や考察をつらつら書いていきます。私は非常に物覚えが悪いですから、1度観ただけなので内容がウロ覚えの部分もあって曖昧です。間違っていたりするかもしれません。そこはご了承ください。
あらすじではありません。

眞人の怪我

眞人は母親を空襲で亡くしました。戦争が終わって2〜3年後に父親は母の妹と再婚し、眞人の生活はがらりと変わることに。新しい学校ではいじめを受けました。学校に行けない状況を作るために、自ら石で頭を殴って大きな傷を負いましたよね。
その傷は家族へ対する当てつけのようにも感じたし、実母を亡くしてぽかりとあいた心の穴を埋めてもらう為の口実にもなったように感じました。

後半で「この傷は俺の悪意だ」みたいなことを言っていました。やはりいじめた奴らや後妻への当てつけだったようです。

アオサギは眞人自身

アオサギは眞人が自己と向き合う様子を描いたものでした。

後妻のいる実母の実家に引っ越してから、アオサギが眞人に絡むようになりましたよね。最初アオサギは「母君が待っている」と眞人へ誘う異次元への案内人かと思いましたが、後々眞人が自分の心に深く目を向け、正面から葛藤と向き合っていく様子を擬態化したものだと分かりました。

眞人は屋敷で「君たちはどう生きるか」という本を見つけました。その本には実母から眞人へメッセージが書いてあり、眞人は母が自分へ残してくれた本を読み始めました。

その本は自己と対話し、自分の人生を考えるきっかけをくれるものでした。眞人は自己と向き合う時間がより深まったのですね。

そしてアオサギは眞人自身です。アオサギは眞人の悪意。アオサギの着ぐるみの中には小さいおじさんが入っていましたが、一見醜い容姿をしていますから、眞人の醜い心の描写なのだと思います。綺麗な着ぐるみを脱げば気が弱くなり、着れば強くなったりとその変化が心模様と重なりますね。

最初は対立していた二人。戦っている最中に眞人はアオサギの着ぐるみに穴を空けてしまいました。「傷は傷つけた人でしか治せない」とアオサギがいうと、眞人は素直にせっせと穴を塞ぎました。徐々に絆が生まれ二人に友情が芽生えました。自己受容の描写です。

悪意は誰の中にもある。しっかりと向き合い受け止めてごらんなさい。治癒の仕方も添えた監督のメッセージでした。

異世界へ続く塔

異世界は本を読んだ者が行く精神世界をイメージ化したものでした。

肉体は「今」しかいることが出来ません。しかし精神の世界は現在過去未来を自由に行き来できます。もちろん場所もですね。それが見事に描写されていました。ハウルの動く城でも扉で表現していましたが、それがより分かりやすく描かれていたように思います。

ひみもキリコもこの本を読んだのでしょう。異世界では読んだ時期がそのまま反映されています。

大叔父

異世界の一角に大叔父がいる場所があり、そこをキリコは墓場と呼んでました。大叔父は頭が非常に良かったと言っていましたが、大叔父は本の作者です。

屋敷の近くに落ちてきた隕石と契約を交わし、石の力を借りて悪意のない世界を創造してきたのでした。キリコは本を読んでそれがいかに馬鹿らしいかを理解し生きていたのでした。

大叔父は墓場では世界を創造する積み木を積み直す作業をしているのですが、もうバランスが保てなくて崩壊寸前でした。

ペリカンだったと思うのですが、ここは生き地獄だと言ってたように記憶しています。人間が都合よく頭で考えた世界というのは、実は脆くて弱いものだということです。大叔父は眞人に思想を継承したがっていました。これが正しいと証明したかったのです。

しかし最終的に眞人はそれを断り、自分で世界を作っていく決意をしました。

今の日本は表向きは穏やかに立ち振る舞っているけど、裏はドロドロとした闇も抱えています。悪意を見ない振りなどできない状況にきています。石の契約とはもしかしたら人間社会のことかもしれません。

臭いものに蓋をしてきた結果はどうなんだと。スピリチュアル風に言えば…光と闇はセットなのだから、両方をしっかりと見据えて現代社会の問題点を改善していきなさいというメッセージに感じました。

キリコ

異世界に行った時、そばにいたキリコ婆さんが巻き込まれました。眞人は現実世界でキリコの芯の強さを見抜いたのかもしれません。もしかしたら彼女と話したのかも知れません。彼女の芯の強さに惹かれたのでしょう。

異世界のキリコは「こいつらは殺さない」と言って、ただ獲物が来るのを待っている殺生できない人たちに、肉を切り分けていました。眞人にも手伝えと命じ肉を切らせていました。

原点回帰せよ。肉は生き物を殺して食べる。野菜は育てて食べる。それを経験したものにしか芽生えない覚悟や感謝、人間も自然の一部だという意識。自然の営み、生態系、そういう基本がすっぽ抜けて変な方向へ行ってしまってはないかという問題提起をキリコに教えて貰ったのかも知れません。

禁目の産屋

後妻夏子が異次元へ逃避してしまいました。眞人は夏子を探す旅をしますが、それは夏子を理解しようとする心の描写でした。

眞人は夏子がいる禁目の産屋に辿り着きました。私は鑑賞中はなぜ禁目なのか分かりませんでしたが、眞人が妊娠を認められなかったから禁目だったのかもしれません。

調べると古くは出産は穢れと考えられていたようです。妊婦は火も禁目で、妊婦が家事を見ると顔にあざが出来ると子供の頃に聞いたこともあります。ですからひみは産屋には入りませんでしたよね。石の力で眞人は白い紙は電気的な攻撃にあいます。

禁目の部屋に入ってしまった眞人は、怒り狂った夏子を目にすることになります。悪阻で弱っている中、眞人に拒否される事に辛くなったのでしょうか。それを眞人は正面から受け止め歩み寄りました。夏子はその気持ちを受け入れたのでした。

実母ひみ

話の道中、実母は昔異世界へ行って行方をくらまし、1年後にフラッとそのままの格好で帰ってきたとありました。実母も1年思い悩んだ時期があり、きっと「君たちはどう生きる」の本を読んだのでしょう。眞人を産んだ後に帰省して、本にメッセージを書いたのかもしれませんね。

異世界ではひみは大叔父を大好きと言った様子で尊敬していました。思想を受け継いだひみは、その世界で巻き起こる闇の負を請負いました。火を操って世界の歪みのバランスを整えていたのです。

リアルでは母親のいた病院が空襲にあい亡くなりましたので、火と母が紐付けされて眞人の中でキャラクター化されたのかもしれません。

眞人が継承を断り、異世界が崩壊した時、皆はそれぞれ現実世界へ繋がる扉に戻ります。眞人はひみに「未来で死ぬけど戻るのか?」みたいなニュアンスで声を掛けました。するとひみは「眞人が生まれてくるのを楽しみにしている」の様な肯定する言葉を掛けました。

あれは母が眞人の選択に「それでいいのよ」という後押し。大叔父の思想を継承したひみですが、それを受け入れず進む眞人もまた大きな愛で受け入れたひみだったのでした。

善意はもちろんの事、大叔父のように臆病にならずに悪意も受け入れた眞人ですから、あとは自分の歩む道に自信を持つだけでした。

インコとペリカン

なぜ鳥がたくさん出てくるのか分かりませんでした。インコが人間を襲う理由も全く分かりませんでした。異次元崩壊の時、インコは眞人の時代を選び羽ばたきました。

ペリカンはわらわらを捕食するために連れてこられたようです。わらわらが何の描写かは全く分からず、いずれ理解できる日がくるのかなと思いました。

さいごに

紐解いていくと、結構シンプルな話だったんだなと分かります。鑑賞中は本当に訳がわからなかったので、良くここまで文字に起こせたなと思います。

あの塔は本を象徴するもの。異次元、精神世界への入り口だと思うと、スッキリするような気がします。それにしてもはちゃめちゃで良かった。

いい映画でした。また観たいです。何度も何度も。

 

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